双葉のしおり

読んだ本の感想と紹介をするブログです

小池真理子『ひるの幻 夜の夢』 / 浅田次郎『月下の恋人』

小池真理子『ひるの幻 夜の夢』

中年というよりも老人に一歩踏み込んだ男女の日常と色恋。
話の内容そのものよりも、やたら裕福な小説家だったり妾だったり、はたまたお飾りの会長だったり、高等遊民に限りなく近い人々ばかり登場するのが気になってしまった。
そのせいか日常を描いた作品のはずなのに、まるで異世界の出来事のようにも感じられる……

浅田次郎『月下の恋人』

ちょっと不思議で、なんとなく不安な感じもするような短編集。
特に最後に収められている「冬の旅」が気に入った。
冒頭に引用される『雪国』の一節と、鬱々とした少年の心が相まって一層寒々しい。