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双葉のしおり

読んだ本の感想と紹介をするブログです

奥田英朗『イン・ザ・プール』『空中ブランコ』

数年前に「空中ブランコ」のタイトルで深夜アニメにもなっていた作品。
肝心の本編は色々あって見られなかったのだが、やたらビビッドな雰囲気のビジュアルだったのを覚えている。
本来デブで老け顔の伊良部が美少年だったり美少年だったりしていたようだが、映像作品でおっさんを見せられても面白くもなんともないだろうし、あの改変は英断だったのではないかと思う。

ともかく、伊良部のキャラクターがいい。
マユミもだんだん可愛く見えてくる。

読み始めの頃は「何だこの医者」と患者の側に立っていたのだが、2冊目を読み終わる頃にはいいキャラクターだなと思うようになった。
身近にいたら関わるのはゴメンだが。

話としては「女流作家」が一番好きだ。
書きたいものを書けず、完全にパターン化した恋愛小説ばかりを書く小説家の出てくる話だ。
シリーズ作品で2冊めの最後となると話も型が見えやすくなってくるが、丁度そのタイミングで収録されており、なんとなく皮肉めいている。
作中に奥山英太郎なる人物が売れない作家として名前が出てくるのも良い。