双葉のしおり

読んだ本の感想と紹介をするブログです

筒井康隆『旅のラゴス』

オススメの本を紹介するblogか何かで見かけて購入した本だ。


巻末の解説を見る限りジャンルはSFなのだが、印象としてはファンタジーに近い。
主人公のラゴスは目的を持って、故郷を出て、目的を果たし、そして帰ってくる。
その世界には、テレポート等の不思議な能力を持っている人がいたり、変わった動物たちが暮らしていたりする。


1986年の作品だから、もう30年前のものになる。
それだけ時間のたった作品が、未だに本屋で平積みされていたりおすすめの本として挙げられたりしているのは、それだけ時代にとらわれない作品だということだろう。

技術は常に発展しているから、現代を描く作品というのは難しい。
いま我々が毎日普通に使っているスマートフォンの存在だって、10年、20年先に同形を変えているか分からない。
今の生活に当たり前にあるものが、十数年後には消えてなくなって、未来の読者には古臭い道具としか見えなくなってしまう。


その点、SFやファンタジーというジャンルは時代の流れに強い。
そもそもの舞台設定がウソなのだから、多少の矛盾や違和感もフィクションだから、と流すことができる。

使われている言葉が古くなるほど時間が経ってしまった時には、おすすめされなくなる時が来るかもしれない。
だが、それまでは確実に残り続ける作品だ。