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双葉のしおり

読んだ本の感想と紹介をするブログです

畠中恵『えどさがし』

以前「似た雰囲気の話が多くて読んだかどうか忘れてしまう」と書いたしゃばけシリーズであるけど、この本に収められている話は印象深い物が多かった。


ひとつ目は、かっぱの禰々子が主人公となる「太郎君、東へ」。
江戸時代に行われた利根川の大工事は徳川家の功績の一つとしてしか見ていなかったけれど、確かに勝手に流れを変えられた川の側からみたら堪ったものではなかったのかもしれない。
禰々子のキャラクターも威勢がよくて格好良かった。

もう一つは本のタイトルにもなっている「えどさがし」。
佐助の過去に纏わる話だったりかっぱの話だったりわりとほのぼの系が続いたところに、明治時代の話が来て驚いた。
当然、若旦那はとうに死んでいて、妖怪たちだけが生き残っている。

人間の若旦那と妖怪たちの生きる時間が全く違うのはわかっていたつもりだったが、実際こうして書かれると切なさを感じる。